制服リメイクサービスの開始から半年が経ちましたが、これまでに何度も「小学校や幼稚園の制服はリメイクできないのですか?」というお問い合わせを頂戴してまいりました。
当初からなるべく早く小学校や幼稚園の制服も、と考えていたのですが、現在の中学校、高校の制服をスタートしてみて、ご依頼いただく制服のバリエーションの豊富さに驚き、なかなか次の一歩を踏み出すことができずにおりました。
「学生服、ブレザー、セーラー服ができれば後は同じような型の微修正で対応できるのでは」と考えていたところ、ご依頼いただく制服は一点一点それぞれにとても個性的で、その都度新しく型紙を起こさなくては全体のバランスが合わないことばかりだったのです。
それでも今回、お問い合わせいただいた東京都のI様が試作品の製作にご協力下さり、とても個性的な小学校の制服のリメイクを手がけさせていただくことができました。
ご依頼いただいたのは娘様が通っていらしたお茶の水女子大学付属小学校の制服で、ご覧の通りとても特徴的なシルエットの制服です。
一目見てわかる「雰囲気」が難しい…
試作がうまくいくかどうかもわからない状況ですので、まずはお預かりした制服ではなく弊社で取り置きのある一般的な制服生地を使用して試作の試作(?)をさせて頂きました。それがこちら。
制服リメイクでは、ご依頼いただいた皆様が一目見て「あの制服のミニチュアだ」と感じていただけるような雰囲気が生まれなくてはご満足いただくことは難しいのですが、どうもこれでは違うのではないか…と感じられ、あらかじめ下記のような修正点をご提案いたしました。
・襟部分、知お預かりしている現品のように後ろ襟が肩のラインと沿って肩幅いっぱい程度になるまで広が るようにします。
・スカーフから下ベルトまでのお腹の部分にスペースができるように全体の長さを長くします。
・折ジワがありますが、最終の型を調整し、まっすぐになるようにいたします。
・袖部分のテープは現品で製作する際に現品で使われているものを移植します。
・胸元にフェルトや刺繍糸にて徽章を再現します。
I様からはとても暖かいお返事と、さらにスカーフのサイズ、ボタンの形状についてのご指摘を頂きました。
それを踏まえ、お預かりした制服生地で製作したのがこちらです。
念のため、再度ご確認をとお送りしたところ、大変ご満足いただけたというご連絡と共に、襟部分の縫い取りの幅についてのご要望を頂きました。
「それらしい雰囲気」というのは細部の調整で大きく変わりますので、頂戴したご要望はリメイク時に気を配る点として大変参考になるものでした。
そして最終の完成形がこちら。
弊社の手違いにて送付のご案内の前に完成品をお届けしてしまったのですが、娘様にもご満足いただけたという大変ありがたいお言葉を頂戴しました。
弊社といたしましても、試作の過程で多くのご意見を頂くことができたため、手元資材での試作とは比べ物にならない多くの知見を頂きました。
どうやら近日中に小学校、幼稚園の制服をお受けできる旨(これまでの「お受けできません」の文言がなくなるだけなのですが…)ご案内できそうです!
I様、娘様、ご家族の皆さま、誠にありがとうございました。
2023年2月吉日
店主拝