ご好評いただいている「おかやま有機無農薬農産物」のお米を生産する城北農産あいがもファーム・福島社長の農園より、シイタケ栽培の様子をお届けします。
20年がかりのシイタケ原木栽培
原木栽培のシイタケ?
「裏庭みたいなところに雑木の原木を転がしておけば簡単に生えるんでしょう?」
いやいや。
こだわりも規模も全く違うのでした。
「ちょうどシイタケが芽生え始めているから、写真を撮るならいいタイミングだよ」
お話を頂いて、それは幸いと福島さんの軽トラに載せてもらったはいいのですが、制服リメイクの工場からすぐ隣の集落と考えていたのが大きな勘違いでした。
隣の集落でも、山の中はまた全然違うのです。
城北農産あいがもファームの代表である福島さん宅は、30ヘクタールに及ぶ広大な山林を生かした林業とシイタケ栽培を祖業とし、お米、ブドウ4種、山芋を生産する専業農家です。
「シイタケの生えている所」
軽い気持ちで乗せて頂いた軽トラはあっという間に未舗装の山の中へ。
都会でも稀にしか運転しない店主では、とてもではないけれども進めない「すごい道」とだけ記しておきましょう。
「あれ? 道が派手に塞がっていますが…」
こんな道、もう無理なのでは思った先で案の定、倒木が道をふさいでいました。
昨年10月に福島さんが刈り倒した雑木林の斜面だったのでした。
葉っぱがついたままのクヌギやコナラなどの雑木を切り倒し、葉っぱの蒸散効果で乾燥を進めている(葉枯らし)最中の現場だったのです。
来月には枝葉を刈り取って玉切り(榾木(ほだぎ)にする作業)をして、山深いこの現場で菌を植え付けておき…シイタケが生えてくるのがその1年後。
つまりシイタケ栽培の始まりがこの雑木林というわけです。
時間を先に進めましょう。
枝葉を払って、切り揃えられ、榾木の姿になって植菌されて寝かされた後に、運ばれた先の榾場(ほだば)の様子がこちら。周囲をヒノキの木立に囲まれ森閑とした、これまた山奥の平地です。
収穫されたばかりのシイタケは、弾力に富んで白く輝き、神々しいまでの存在感です。しかし、この状態で流通させられるのは3~4日間だけ。大部分は乾燥させてより「旨味」を高めた状態で出荷されていきます。
次回は乾燥の工程をお伝えします。
追記――その晩、福島さんが下さったとれたてのシイタケを、牛のこま切れ、地産のこんにゃくとあわせてすき焼き風に煮込みましたが…染み出してくる旨味と歯ごたえに悶絶する味わいでした!
2023年3月吉日
店主拝